【黒ノ十三】運命の扉

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概要

運命の扉とは黒ノ十三に収録されている小説。脚本は火鳥一人。
主人公は3人の男の子供時代と大人時代が交差する。
黒ノ十三唯一の長編作品。

あらすじ

序章

邪心持つ者、扉開けるべからず。開けたら運命の中に入る。

子供時代

I章

3人の少年が少女からペンダントを奪い開けようと必死になっていた。少女の「返せ」の声が聞こえないほど。

II章

少女が体当たりをして取り返そうとしたがポマードがキレて返さなかった。ジャイアンツ帽は返した方がいいと言うもポマードがキレて引っ込む。タイガース帽の少年は開け方をを教えてくれたら返すと言い始めた。

III章

しかし、少女は教えなかった。ペンダントを邪心ある者が開けると運命に封じ込められるということを話す。
しかし、3人は信じなかった。

IV章

3人は返さずにいた。が、ふとしたことで歩道橋の手すりに乗りタイガース帽と少女が取ろうとした。が、ペンダントは地面に落下して扉が開いた。

V章

ペンダントを拾おうと少女が車道に出た。が、車にはねられた。

VI章

少女がはねられ車に運ばれた。少年たちは階段を降りようとしたが車はもういなかった。
他の二人が唖然とした中、タイガース帽が地面に「EW」と刻まれた金属片を発見した。

VII章

3人は雨の中、公園で反省していた。自分たちの行いを責めていた。

VIII章

どうするのか悩んでいたが、タイガース帽が帰ることを考え二人は賛同し帰ることにした。

IX章

タイガース帽の所に電話が鳴り響く。タイガース帽は母親に電話に出ろと言われて最初は出ようとしなかったがしかたなく出た。

X章

ポマードの電話で少女がひかれた事件はニュースになっていなかった。何か様子がおかしいと思い学校で会うことにした。
次にジャイアンツ帽がタイガース帽へ電話してきた。

XI章

一睡もできず学校へ来た3人。しかし、少女は来なかった。

XII章

出席を取っていたら少女の席は病気で休みということになった。しかし、なぜそうなった?

XIII章

3人は何が起きたのかわからなかった。何も言わないことにした。

XIV章

二時間目の授業でジャイアンツ帽が事件に何が起きていたのか話す。

XV章

3人は教頭に連れて行かれ校長室に連れて行かれた。そこには少女の両親と警察の3人がいた。

XVI章

ポマードが言おうとしたその時、少女の父親が本当のことを家とキレた。
校長がなんとか説得し父親を追い出し、母親は泣いていた。

XVII章

タイガース帽はEWをどうするのか考えていた。二人が説明しろと責任を押し付けた。その時、後ろから声がした。

XVIII章

少女のお母さんが声をかけたのだ。少年たちは話そうにも黙ることにした。母親は去りなにかあるのなら教えてほしいと言った。
娘の令美のために。

XIX章

あのメロディが流れた。タイガース帽はそれにつられて行く。

大人時代

一章

3人の男が車を動かして移動していた。時間を合わせて何かをしている。

二章

東西銀行千里山支店に銀行強盗をしてダイコク面、エビス面が侵入する。金を奪い逃げるが、その時……。

三章

白髪交じりの男がエビス面の銃を奪おうとした。しかし、発砲し白髪交じりの男は死亡し仮面をつけた男たちは去った。

四章

一億五千万円を強奪して逃走する3人。ここで名前が明かされた。理一、菊雄、野助。
理一は男を撃ったため冷静さをなんとか取り戻すが、菊雄は銀行強盗成功で余裕がありすぎて札束を野助に落ち着けた。その時だった。

五章

野助が少女をひいてしまった。理一が車から出て少女はまだ意識があり生きていた。
理一は病院へ運ぶことにした。
ここで、理一は他の二人よりあることを思い出した……。

六章

少女を看病する理一、あせる菊雄。ラジオに東西銀行千里山支店で一億五千万円が盗まれた銀行強盗のニュースと支店長の甲幸二が亡くなったことが流れていた。
どう逃げるのか考えていた時、理一と菊雄はもめた。少女は殺さないとしてどうするのかとしていたが、理一は下水道工事現場を発見しそこへ逃げることにした。
その時、少女が目覚めた。

七章

野助が少女の生死について菊雄ともめて争っていた。が、後続車からクラクションが鳴り車を動かした。
検問が見えて路地に入り車を降りて下水道へ逃げていった。

八章

下水道へ出たがどこのマンホールも固く閉ざされていた。こうなったら下水処理場へ行くことにした。

九章

金と少女を背中に持って動く野助は動きづらかった。しかし、それでも優しさを捨てなかった。
少女は自分の名前を言わなかったが、名札があると理一は指摘して名前は「甲香織」とわかった。
少女から銀行強盗のことを質問される。しかし、少女はなぜか3人よりも冷静で悲観していた。

十章

下水道を歩いているとなんとドブネズミを発見した。それも群れだ。
敵意はなく前へ進もうとした。が、菊雄は面白がって鉄パイプを蹴りドブネズミたちを驚かそうとした。

十一章

十数時間も歩き回り何も出なかった。菊雄が叫び出し暴れまわった。が、ドブネズミを攻撃しドブネズミたちが反撃した。
理一はボストンバックを開いて札束を燃やして炎を出しネズミを追い払った。

十二章

4人は助かった。この時、少女は汚水に手をいれて何かを握った。
後方から大勢のネズミの声が聞こえてきた。少女は3人を奮い立たせようと叫んだ。
野助、札束を松明代わりにした理一、理一に無理矢理起こされた菊雄の順に立ち上がった。野助は少女を背負って先に行った。皆、少女に先導されていく。

十三章

ドブネズミの声が無くなり安心した。が、少女は血だらけで野助の首筋が何者かに食いちぎられて死んでいた。
野助が死んだことに菊雄が涙して少女が殺した以外にありえないとにらみ殺すとしたが理一に止められた。

十四章

金は無駄になり野助が死亡。理一は少女がいるから大丈夫と考えた。
しかし、菊雄は子供の時代の記憶が蘇りそれが口から出て発狂していた。声も届かずバッグを両腕に抱きかかえて逃走。
入り口が見えて上がろうとした。その時、少女がうたい始めて菊雄が再び発狂し少女を殺そうとした。
野助を殺したのが少女と本気で思い込み少女の所に行こうとしたが理一に止められた。しかし、理一の銃を奪いどかそうとする。その時、水の流れる音が強くなっていた。
そう、ネズミたちが逃げていたのは炎ではない。水が強くなったからだ。

十五章

水がおさまり目が覚めた理一。ライターをつけようとしたがつかなかった。
菊雄を探そうとして叫んだが菊雄の声は聞こえなかった。

十六章

理一は菊雄を探していた時だった。水にネズミの死骸を発見する。疲れて座った時だった。
何かがふれた。それは菊雄の死体だった。

十七章

理一は菊雄を運んでいた。少女は歌を歌っていた。生きているようだ。
その時、自分の手を見たら血が絡みついていた。よく見ると菊雄の首にえぐられたあとがあった。
銃が無く少女がやったと考えた。

十八章

光が見えた。が、懐中電灯を持って右手に銃を持った少女が……。ボストンバックを持ってイルのを気づいて。
少女……香織は理一を殺そうとしているのだ。

十九章

香織は父親から貰ったペンダントを見せた。そう、3人が父親を殺したのは知っていたのだ。その敵討のために来たのであった。
野助はネズミに追われている最中に首筋を噛み切った。菊雄は気絶していたので首筋を噛み切った。
理一は香織が二人を殺したことに慌てた。理一と香織はおたがいに「野助と菊雄、金」、「父、家」と返せと言った。
その時、理一に令美の姿が映った。香織が令美に……。瞬間、銃が発砲されたものの頬をかすめて正気に戻る。
が、濁流が聞こえてきてそれどころではなくなった。香織は銃を撃とうとしたが、充満したガスに引火して爆発した。

登場人物

令美

少年たちにペンダントを取られた少女。ペンダントが車道に落ちて取りに行こうとしたが車にはねられ車に乗せられ行方不明となった。
ペンダントは甲幸二の所に渡った。

3人の男たち

理一

エビス面の男。「リイちゃん」と呼ばれている。少年時代はタイガース帽を被っていた。
メンバーの中で知的。罪悪感があり甲幸二を撃った時は平静を保てなかった。
菊雄のストッパーでメンバーのリーダー格。
この中で物語の核心を一番理解していた。

菊雄

ダイコク面を被っていた男。少年時代はポマードを着ていた。
メンバーで一番気性が荒い。野助に強く当たっているがいい子ぶっていることに関して嫉妬している。

野助(やすけ)

あだ名が「ノン(最初の「野」からとっている)」の男。少年時代はジャイアンツ帽を被っていた。
気弱で菊雄に怒られて悩まされている。
雑用係で車の運転、金と少女の運搬を任された。

甲幸二

東西銀行千里山支店の支店長。理一につかみみかかるが撃たれて死亡する。

甲香織

3人がひいた甲幸二の娘。名前は言わなかったが名札があったので知った。
過去に何かあったらしく苦しんでいた。
3人に接触したのは敵討のためである。

ペンダント

「邪心にある者が開けると運命に閉じ込められる」といういわくつきのペンダント。
普段は固く閉ざされている。
中は5人の豆粒人形仲良く輪になり手を繋いで踊り、3体の音楽隊が音を鳴らす。
メロディーは流れるもリピートされる。5体の人形の踊りはドクロを描いている。
令美から甲幸二の手に渡った。

結末

最終章

少年理一と走っていた二人の友人。しかし、理一が突然消えて闇の中にいた。下水道の中である。
理一はどこにいるのかわからなかったが、マンホールの蓋を開いた菊雄と野助が顔を出していた。しかし、闇に何かがいるのを気づいて逃げ出す。タイガース帽を置き忘れるほど。
大人理一はガス爆発で体が焼かれもはや原型を保っていなかった。
少年理一は上にあがろうとした。が、大人理一は少年の野助、菊雄の声が自分を読んでいると勘違いして動いた。
大人理一も上にあがろうとして少年理一の足を掴んだ。
二人は目があった。令美を失わせて「汚れはじめた幼き自分」、銀行強盗をして二人の友人をしなせた「汚れちまった自分の未来」。
少年理一は大人理一を強く蹴り飛ばし闇へと返した。そして、野助と菊雄に蓋を閉じるよう強く言って閉じさせた。
出ることができなくなったその時だった。大人理一の前にEWが落ちてきた。
そう、あの時、令美をひいたのは甲幸二だった。
そして、令美が見えた。令美は大人理一の前でにっこり笑いドクロとなった。令美も闇の中にいたのだ。
ペンダントが開きメロディが流れていた。理一の目が閉じると同時にペンダントも閉じられた。
しかし、3人の少年たちは知らない。あれが、自分たちの運命だと。

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