古典

【雨月物語】蛇性の婬

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蛇性の婬(じゃせいのいん)とは「雨月物語」の1つで唯一の中編小説。
モデルは「警世通信」の「白娘子永鎮雷峰塔」から。

あらすじ

多数の漁師が生きる紀州三輪ヶ崎に住む豊雄。働くことを好まず神官の下で学問を学んでいた。
9月のある日、大雨の中、漁師の家で雨宿りをしていた時、二人の女が来た。そのうちの一人「県の真女子」に一目ぼれをした。少し話し真女子に傘を渡した。
返しに行こうと県を探した。しかし、新宮の人たちは県を知らない人たちばかりだった。そこに県の部下がいて県の家に案内された。県は豊雄に自らの経歴を話し結婚してほしいとせまる。そこで宝刀を渡された。しかし、兄からこれはあまりにも高級な品で何かあると思い独自調査で「熊野権現から盗んだ物」と結果が出た。父親と兄は訴えに出て豊雄を逮捕させ、役人から県と言う人物は存在しないと言われた。新宮にある県の家に向かったら県と部下は突然消えてあるのは熊野権現の宝だった。妖怪の仕業と断定されたが、豊雄の罪は許される物ではなく牢屋に入れられた。両親の裏工作で刑期は削減できたが、家に戻るのは難しいとして姉のいる大和に行くのであった。

舞台は大和に移り商いをしていた所、再び県があらわれた。豊雄は怖がり県はわけを話して入れ込んだ。三月にて吉野で花見をしていた所、白髪の男が来て県の正体が露見した。
県の正体は長く生きた白い大蛇「邪神」。
心を入れ替えて両親と和解し真面目に働くことにした。

三輪ヶ崎へ戻り庄司の娘富子と結婚する。しかし、邪神はまだあきらめていないかった。庄司にことを話し鞍馬寺の坊主を呼ぶも坊主は死亡してしまった……。

登場人物

大宅家(おおやけ)

三輪ヶ崎の網元「大宅竹助」と三人の子供たち。

大宅豊雄(おおやとよお)
末っ子にして主人公。優しいが風流ばかり考えて働きをしない。そのため、竹助は養子に出そうと考えたが、うまくいかないだろうと思い放置し新宮の神官を学問の師として定め通っている。
県のこと邪神と関わり逮捕されたり、家に帰れなかったり、人が死んだりと不幸な目に合う。

長男
家業に励む。豊雄が県からもらった宝を不審に思い竹助と相談して独自に調査した結果「熊野権現からの窃盗品」であったことがわかり訴えに出た。

長女
二番目の娘。大和の商人金忠に嫁いだ。

大宅竹助
三人の子供の父親。三輪ヶ崎の縄元。

田辺の金忠
大和にてロウソクや燈心を扱っている商人。豊雄の姉の夫。
大和に来た豊雄を優しく接した。

富子
芝の里出身の女性。庄司の娘。京の御所にうめめとして仕えていた。
豊雄と結婚するが、邪神に憑りつかれていた。

庄司
富子の父で武家出身。富子を助けるため鞍馬寺の坊主を雇うが死亡し、面目ないとして道成寺の坊主を頼む。

邪神と部下

邪神
長く生きた白い大蛇。妖術を操り人に化けたりする。
性格は淫乱らしい。牛と交わり鱗を産み、馬との間に竜女を産むとされる。
県の真女子(あがたのまなこ)として新宮に住む女性として平然と嘘の経歴(都生まれで両親は死別、縁あって国主につかえる鼎の嫁になったが鼎は死亡。身寄りもなく部下と共にさまよっていた)を話す。
正体は蛇の邪神で豊雄を食おうとたくらんでいた。
熊野権現の所から宝物を盗み豊雄に宝を渡した。役人が来て部下かともに新宮の家から消えた。豊雄を追い大和へ向かい再び入れ込もうとした。しかし、白髪の男に正体がバレた。
今度は富子にとりついた。

邪神の部下
普段は女性の姿をしているが、こちらも蛇。

霊能者

白髪の男
邪神を攻撃し豊雄に正体を教えた人物。正体不明の人物で他の霊能者と一線を画する。
邪神とは前にあったことがあり正体を知っていた。

鞍馬寺の坊主
庄司に邪神退治でやとわれた。しかし、邪神に通じず死亡。

法海和尚
道成寺の僧侶老人。袈裟を渡し袈裟を力ずくでかぶせて仏の力を念じて弱めたら出てくるとした。

結末

法海の考えで豊雄は富子に袈裟をかぶせて力ずくで抑えたら大きな蛇があらわれて法海は壺に入れて手下を見つけてこちらも封印した。庄司、豊雄、富子の3人は涙で法海を見送った。
邪神は蛇塚に封印された。
その後、富子は病死し、豊雄は長く生きた。


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