夏目漱石作品

【夏目漱石】幻影の盾

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「幻影の盾(まぼろしのたて)」とは1905年4月「ホトトギス」に掲載された夏目漱石の作品。漾虚集に収録されていた。
モデルは「アーサー王物語」、「北欧神話」。ところどころ今の視点で見ると「おかしい」と思う箇所が見受けられる。
漱石曰く「日本人に合わない作品」らしい。

あらすじ

ブリテンにアーサーがいた時代において盾は存在した。
白城と夜鴉城の城主たちは20年前はお互いに仲が良かったが、去年の春にて鷹狩の帰り獲物争いをめぐり口論となり戦争をしている。
白城所属にして盾を所有するウィリアムは盾について考えていた。敵対している夜鴉の城の娘クララを愛しておりどうにかして会いたかった。思いの果て、ウィリアムは盾に望みをかなえることにした。
ルーファスが七日後に戦いを開くとした。ウィリアムは盾の由来を書いた紙を見ていた時、シワルドが来て部屋に入らせ世間話しをする。ジワルドからクララ救出の話を持ち出され乗る気ではないが協力する。
しかし、シワルドの協力得て六日目の晩にて船の旗が夜鴉城の赤か、白城の白と見たら白だった。
戦が始まりウィリアムはクララと再会するため行くのであった。

登場人物

現代

ウィリアム
盾の所有者。主人公26歳。
白城所属。四年前の戦いで鎧を捨ててカタパルトを引いて戦う。
敵対派閥のクララを愛しておりクララの髪束を持っている。手紙を持ち思いを成し遂げれなければ城に火を放つ決心をする。

クララ
夜鴉の城に住まう女性。ウィリアムが愛した女性。
戦争が起きる前、夜鴉の城へ会いに行ったがクララが面白半分でからかいウィリアムを「黒い眼の子」と言ってしまいウィリアムを怒らせてしまい謝り仲良くなる。ウィリアムはこの時にクララから髪をもらっている。

ルーファス
白城の城主にしてウィリアムの主。別名「狼王」。
戦で先陣を切り指揮していた。

シワルド
白城所属。
ウィリアムと仲が良くトルバダウの歌が聞けれる南の花多き国、プロヴォサルの伯とツールースの伯の和睦の会「ボーシイルの会」について話す。
ウィリアムの内心を知っておりイタリアに行くのを誘いウィリアムに協力する。しかし、空振りしてしまった。

過去の人物

ウィリアムの祖先
四世の祖とされる人物。北の国に行き巨人と戦い盾を持って帰った。

北の国の巨人
盾の元々の所有者。ウィリアムの祖先と戦い敗北する。
盾の由来を聞かれたが最初は答えず仕方なく答えた。祖先に「戦に持っていくと呪われる」と警告すると同時に予言「祖先の孫の前に南方に赤い衣をまとった美人があらわれ孫が盾の面に触れるだろう」と遺す。

オジン
ワルハラ国に住まう者。盾の製作者。
モデルはオーディンと思われる。

用語

愛の庁
羊皮紙に書かれた三十一カ条もある愛に関する法章。


アーサー王の時代に存在した盾。ウィリアムが所有する。
形状は銀色で月のように丸く、縁は小指の先ほどの四寸の銀色の鋲が綺麗に五分程度間にある。鋲には唐草のほりがある。夜叉の顔に見えるためどこかゴーゴンにも見える。
不思議な盾で過去、現在、未来を見て、願いを叶えることが可能。。そのため「幻影の盾」と呼ばれる。
しかし、戦に持っていけば確実に呪われる代物。
ワルハラの国のオジンが火を使っても溶けない黒鉄を氷のような白炎で作ったのが由来。北の国の巨人が所有していた盾でウィリアムの祖先が激戦で勝利して得た。そのため、ウィリアムはこのことを秘密にしている。
ウィリアムは盾を見るとクララの顔に見えたりする。

侍、武士
本当は騎士だがなぜか侍、武士になっている。

結末

夜鴉城は劣勢、白城が優勢でついに夜鴉城は落とされた。
ウィリアムとクララは再会を果たす。だが、火で見えたクララの幻影だった。夜鴉城に二頭の馬が飛翔し「南の国へ行け」と進言された。城は焼け落ちてゆき城から脱出。
ウィリアムは南へ向かい池の近くに行くと紅の衣を着て楽器を弾く女性を見た。その女性はクララにそっくりであった。巨人の予言は当たったのだ。
女性が歌うと赤い船が見えてそこにクララがいた。クララとウィリアムは再会を果たす。
だが、これは盾の中の世界であった。


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