夏目漱石作品

【夏目漱石】永日小品

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「永日小品」とは夏目漱石が1909年1月~3月の朝日新聞で掲載された作品。四篇に収録。

概要

全24章で構成される短編集で夏目漱石が生きたことをモデルにして書いた作品が多くある。

1.元旦
2.蛇
3.泥棒
4.柿
5.火鉢
6.下宿
7.過去の匂い ※「下宿」の続き
8.猫の墓
9.暖かい夢
10.印象
11.人間
12.山鳥
13.モナリサ
14.火事
15.霧
16.懸物
17.紀元節
18.儲口
19.行列
20.昔
21.声
22.金
23.心
24.変化
25.クレイグ先生

登場人物

三十四人と高浜虚子
登場:元旦
雑煮を書斎で食べている若い男たちと実在の人物。
フロックを着た者がメルトンを着た者に話しかけたのが物語の始まり高浜虚子が来た。虚子は場を盛り上げたがフロックはあまりよろしくなかった。

叔父さんとつれ
登場:蛇
貴王様の土地に住む蛇を捕まえに来た二人。叔父さんは「獲れる」と言っている。
蛇を取ったが逃げてしまい叔父さんは「覚えていろ」と言った。叔父さんにしては違和感がありつれは叔父さんなのかと質問するも叔父さんは違うらしい。

下女
登場:盗賊
すすり泣きをして何を言っているのかわからないようなことを早口でいう謎の女。実は泥棒を追い返したりして守っていた。

家族
登場:盗賊
既婚で子供がいる家族。10歳になる長女と赤ん坊がいる。
下女のすすり泣きで困っていた。

お房さん
登場:盗賊
住み込みで働く女性で長女と同じ部屋に住む。

泥棒
登場:盗賊
丸帯を10本盗んだ窃盗犯。結局捕まらず何者なのかわからない。

喜いちゃん
登場:柿
滑らかな皮膚、鮮やかなひとみを持つ子供。滅多に外で遊ばない。
家の裏にある長屋を見ていた。与吉が喜いちゃんをバカにしてついには家に引きこもった。

大工の源坊と与吉
登場:柿
大工屋と息子。与吉は喜いちゃんと話が合わずいじめたりした。結果、喜いちゃんは家に引きこもった。

火鉢を出した家族
登場:火鉢
寒くなったため火鉢を出した。その最中、長沢と吉田が相談に来た。特に何も無く物語は終わった。

フランス生まれの女性
登場:下宿、過去の匂い
下宿先で働いている主婦。25年前、イギリス人の母がフランス人の父親と結婚するも父親は死亡。
母はドイツ人と再婚したが、仲は悪い。
息子にアグニスがいる。しかし、現在の父親に悟られないよう隠している。
「下宿」で日本人の男性を好み自らの内情を打ち明けて「過去の匂い」でスコットランドから帰ってきたKを紹介する。

ドイツ人の老人
登場:下宿
下宿先にいた老人。ウェスト・エンドの仕立て屋の店主にしてフランス生まれの女性の父親。
しかし、仲が悪く亡くなった母の金と女性の自由を奪った。

アグニス
登場:下宿
女性の娘。歳は13、4。主人公が23カ月後に帰って来たらアグニス似の子供がいた。

K
登場:過去の匂い
日本人でスコットランドからロンドンに帰ってきた。Nという日本人を連れている。
慶応年間に生まれたから慶応内閣を作るとこころざしている。Kが言うにはフランス人親子で一番苦しんでいるのはアグニスらしい。
主人公が下宿先に嫌気を刺し地中海の方へ引っ越すことにした。23か月後にKから手紙が来て下宿先によってみた。

N
登場:過去の匂い
日本人でKの友達。


登場:猫の墓
何も食わずただ生きていた猫。下女からの扱いは悪く、飯が与えられたとしても他の猫に食われる。
三毛猫に追われて生きる実感を得たが、病気を患いついには死去。

暖かい風の読み手
登場:暖かい風
歩く人。風に負けて家の中に入り天井の闇の中にうごめく女性を発見したが闇の中へと消えていった。

印象の読み手
登場:印象
町の中を歩いている人物。

御作
登場:人間
髪結を待つ人物。美いちゃんを誘おうとしたが、旦那は帰っていった。
酔っぱらって警察に捕まる旦那を見て美いちゃんの話のネタ作れたと喜んだ。

旦那
登場:人間
御作の使用人。欝金木綿の風呂屋敷を用意したりした。御作から離れると酔っ払い警察に捕まってしまった。

謎の青年
登場:山鳥
突如、56人が火鉢に囲んでいる中であらわれた男性。国から届いたという。
妹ともに家に住んでいる。父は漢学者、祖母は大名の屋敷を奉公していた。主人公と仲良くなり友人を助けため20円を貸してほしいと頼みなんとか貸してもらいその後返した。
国へ帰ることになり主人公に山鳥を送った。

56人
登場:山鳥
火鉢を囲んでいた人々。甲子、安野がいる。56人の中に「山鳥」の主人公がいる。
主人公が青年とうまくやってゆき青年が国に帰った後、山鳥が送られて仲間たちとともに食べた。

西洋の女の画
登場:モナリサ
半分裸の女性。黄ばんでいる。八十銭で井深が購入し家に置いている。井深は妻にモナリサの謎を解いたのはダヴィンチと言う。

火事を見ていた人
登場:火事
火事の状況を見ていた。

下宿へ帰れるか迷っている人
登場:霧
霧の中を歩いている人物。

大刀老人
登場:懸物
亡き妻の三回忌が来たので貯蓄した金を使い石碑を建てようとした。息子は成人しており4、6歳の子供を持っている。
壁に懸物を掲げて鉄砲玉を多く買う。好事家かに懸物を全て売り払い石碑を作る資金を得たのだ。
鉄砲玉は子供が三日間欠けて食っていた。

福田先生
登場:紀元節
紀元節を間違えて「記元節」としてしまった。子供の一人が直したもののどっちでもいいと言った。明治42年の話である。

儲話をする人
登場:儲話
中国人。儲けるため薩摩芋を買い占めてアメリカで売ろうとした。ところが警察に捕まりあの手この手で逃れようとしたが失敗に終わった。

行列を見た人
登場:行列
不思議な行列を見た人。幻想が過ぎると子供と母親が戯れているのを見た。

ピトロクリの谷を歩く人物と主人
登場:昔
主人とともに谷を歩く人物。

豊三郎
登場:声
下宿で荷物整理をしている。五年前に亡くなった母の声「豊、豊」が聞こえてきた。ついには母の顔を見て母の好きな菊を買った。

空谷子(くろこくし)
登場:金
妙な男。神田の火事で家を失った。そして、金の話を聞いていく内に「金は魔物」と結論付けた。

謎の鳥
登場:心
ウグイスに似た鳥。「心」の主人公が一度だけ見たが後は思いだせなかった。

中村と自分
登場:変化
二畳敷の二階で机を並べていた二人で私塾の教師。中村はボートレースのチャンピオンで周りから慕われていた。
学校を出た後、中村は台湾に行きロンドンで再会し西洋の小説を読み美人が多く出る物を見た。その後、中村は満州鉄道の総裁となった。
主人公は小説家となった。
中村とは夏目漱石の親友「中村是公」。

クレイグ先生
登場:クレイグ先生
イギリスにいた教師で夏目漱石の恩師。漱石がクレイグについて思ったことを書き連ねている。短編小説と言うよりも感想文に近い。


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