夏目漱石作品

【夏目漱石】こころ

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「こころ」とは夏目漱石の作品。1914年4月~8月にかけて朝日新聞で掲載された。
上中下の3部構成となっている。

あらすじ

上「先生と私」

若いころ書生だった「私」は鎌倉に住み先生と知り会う。私は風変わりな西洋人を見かけて先生にその西洋人について話しかけたが隠したのであった。
東京に住む現在の私。先生にあうため雑司ヶ谷の墓地に行き先生とあった。ここでも隠し事をして私とともに墓地から去った。
私は先生を気になりあっていくが、先生は変わらなかった。
先生は妻の静と仲が良く演奏会を見に行ったり旅行に行ったりする。ところが、喧嘩があったらしく先生は私に妻が何かを話す。静は先生以外に頼る人がいなく、先生は静以外の女を知らない。
大学生になった私は静と会い先生との恋愛話をする。書生時代の先生と恋愛を聞く。しかし、当の先生は静との恋愛に罪悪があった。それでも、静は先生を受けいれるほど心が広い(やはり最初は世間の目を気にしていた)。
静と話していく内に雑司ヶ谷の墓地には先生の親友の墓があることを聞いた。
冬、父が患った腎臓の病気が悪化し故郷へ戻ることになった。父は元気なのだがやはり腎臓の病気はある。ここで父親は先生に似ている部分があると気づくもものたりの所があった。東京に戻り先生にこのことを報告する。
八重桜が散ったころに私は自由となる。先生から財産の心配をされたり、人間は誰でも悪人になれることを話した。
先生は過去の一部を話しいずれ話すとした。先生は静と話し合い自分が先に死んだら家にある者は全て静の物だと話す。
私は故郷へと戻って行ったところで上は終わる。

中「両親と私」

卒業したことに喜んだ父。だが、世間からすればごく普通のことで先生もたいして気にしていない。ゆえに父の姿を見た私は父を軽蔑した。
両親は私の卒業を利用して収入を得ようとしていた。父の病状は悪化し、両親と私の仲は悪くなるばかり。私は東京へ行くことにしたもののやはり父を見捨てることはできなかった。父の病状が悪化し兄妹たちや親戚たちが戻ってきた。
父の死が近づく中、先生から手紙が来た。自らの過去を話すことができないため筆でおろすことにした。この手紙を受け取っている時点で先生はもういない。

下「先生の遺書」

自分が卑怯な人間と告白する先生。両親を腸チフスで失い県議会議員の叔父夫婦(父の弟)に引き取られ東京へ行く。東京の高校は今より殺伐しており話したくなかったが書くことにした。
だが、叔父夫婦は先生の実家を破壊して売ったり遺産を横取りしたので叔父や親戚たちを嫌うようになった。
下宿を出て一戸建てを買い日清戦争で夫を失った未亡人と会う。未亡人の娘「お嬢さん(後の「静」)」と会い3人は仲良くなっていく。先生はお嬢さんへ会いに行く。
3人が仲良くなっているさなか、先生の親友「K」が入ってきた。Kは自身を育てた一家に本音を言ってしまい追い出され実家からも干された。
戻るためにいそがしくなるも精神的につらく先生の所へ来たのであった。先生はKがさび付いた性格となったのを見て愕然としうちとけるのが難しかった。しかも、奥さんと静からも厄介者扱いされていた。しだいに打ち解けていったが静とKが仲良くなり静は先生を邪険する。
先生はKとともに房州へ行き話し合い先生はKへの不安が無いと知り理解した。
だが、その後もKと静の仲は良好で先生は除け者にされて行く。先生は奥さんを説得して静とともに市ヶ谷にいる親類の下へ向かった。Kは先生に二人がどこに行ったのか問いただしたりして精神は悪化した。Kと先生はお互いに口を利かず下女を用意して飯を食うことにした。
静と奥さんは戻ってきたがKはいっこうに話さなかった。学校の図書館を出て竜岡町へ向かう時にお互いに話すことにした。Kは自分を批判してほしかったこと。だが、先生は復讐心にかられたのかKに残酷な言葉を二回言うのであった。

「精神的に向上心のないものは、馬鹿だ」

「精神的に向上心のないものは、馬鹿だ」

と、言いKは自らをバカと認識した。先生は我にかえり弁明するが意味は無い。もう覚醒しているからだ(後に奥さんから先生はなぜ責めたのか批判された)。
Kはもう望みがないとして小さいナイフを使い頸動脈を切り自殺をし遺書を遺した。第一発見者の先生は遺書を見て自分のせいだと責めた。
学校へ行った先生は帰ってきた時は葬儀が行われ静と奥さんが涙を流していた。
Kの父と兄、宣誓が協議して遺骨を雑司ヶ谷の墓地へ埋めることにした。
葬儀が終わった後、Kの友人から新聞は「父と兄によって勘当された」、「気が狂った」と書かれている新聞を見せられた。
先生と静は結婚したものの先生は自分がKを殺したと責めておりアル中に陥ったりした。かつて自身を騙した叔父を思いだすほど。
奥さんが死去し静の心の支えとなる。
自殺と長く遺書を書くのを決心し静が長い間(たまに帰ってくる)叔母の看護で行くさなかに書く。本当は私に全てを言いたかったがやむを得ないとしてこうした。
全て書き先生は自殺した。

登場人物

主要人物


上、中の主人公。3兄妹の次男坊。
先生とあったのは鎌倉で自然に先生と言っている。鎌倉にいた時は資産家の息子の中国人から宿を借りていた。
先生が気になり先生の家へ行ったりする。
大学生となっても先生との付き合いを長くしている。冬にて父の腎臓の病気が悪化し故郷へ戻る。
田舎出身者だが、田舎者を嫌っており世間知らずな面を一番毛嫌いしている。
両親の家へ戻ったが居心地が悪く東京へ戻ることにしたが、父を見捨てることができなかった。親孝行ができず後悔した。

先生
大学の教師。私と鎌倉で知り合った男。無職。
自らを「無価値な人間」ととらえており冷淡な態度を取り人から遠ざけていた。自信が全くなく妻への恋愛は悪かったと今でも思っている。物質主義が嫌い。
人間は金につけこめばどんな君子でも悪人になると考えている。これは父が亡くなる善人だった親戚が悪人と変わったのを見て彼らが代表する人間を憎むようになった。
既婚者で静と言う女性と結婚している。仲が良く演奏会や旅行に行ったりする。喧嘩はあるが、お互いに信用し合っている。先生は静が先に亡くなった方がいいと考えており、自身が先に亡くなったことに関して静は考えていなかった。
外出を嫌うが雑司ヶ谷の墓地に行く。
鎌倉では広い寺の境内にある別荘で暮らしている。
新潟出身で書生時代に静と知りあい結婚する。
過去を少し語った後、多くの手紙を書き私に送り自殺。

静(しず)
先生の妻。「下」では未亡人の娘「お嬢さん」。
先生と仲が良く旅行に行ったりする。ただし、喧嘩はある。先生が言うには静は「先生以外に頼る人間がいない」。
父は鳥取出身で日清戦争で戦死、母は江戸出身で静は東京出身。
性格は当時の日本人女性と違い理解力があるらしい。そのため、先生を受けいれるほど心が広い。
先生から自分が死んだ場合は静が自身の遺品を受け取るよう頼み必要ない本は古本屋に売ってもいいとした。
叔母の世話を長くしている間に先生は自殺した。

K
先生の親友。同郷で子供の時から知り合う。大学でも同じ学科に所属していた。Kの方が先生より賢いと先生は認めている。
故人。
真宗寺の次男で医者の容姿として引き取られた。知識欲が高く仏教どころかキリスト教、イスラム教の本が読みたかった。
結婚した姉(先生が言うには母親らしい性格)、兄がいる。
育て親に本当のことを手紙で言ってしまい学費を出さないと厳しい返事が出て実家からも怒られた。これを終わらすため実家が金を出し養父たちを落ち着かせて実家の方はKを勘当させた。復籍する道のりが長く次第につかれて行き先生、奥さん、静の3人がいるところに行く。
先生以外からは厄介者と見られていた。先生が奥さんと静にあれこれさせて改善した。
だが、静をめぐる恋愛や先生からの二言で望みなしと見て自殺した。

中国人の友人
私の友人で資産かの息子。

西洋人
浴衣を着た男。先生の知人。

私の兄
遠い九州のある職についている。自由が利けないので家族に会えない。
「中」では父の病状が心配で戻ってきた。父同様に先生とは立派な教授と思っている。

私の妹
結婚している。

私の両親
故郷にいる両親。
父親は腎臓の病を患っている。おとなしく先生に近いが、物足りない部分がある。
私が帰ってくると喜び父親は将棋や碁を打ったりして過ごす。再び戻った時、父は私の卒業を喜んだが私は卒業の本質を理解していないので軽蔑していた。
両親ともに私の収入を利用しようとしていた。父の病気は日に日に悪化してゆき両親と私の仲は悪くなるばかり。

私の朋友
地方の中学教員を紹介した。地位にを探す男で余った分を私に渡そうとしたが、私は断った。

先生の両親
故人。最初は父が腸チフスを患っていたが母にも伝染し両方死亡。

先生の叔父
先生の父の弟。死んだ両親の代わりに育てるが、金目当て先生の実家を破壊して土地を売ったり、自身の娘と結婚して父の跡を継ぐよう頼まれたりしたが先生は4度断った。そのため、当初は尊敬していたが憎むことになった。
結婚しており娘、息子がいる。
県議会議員で多くの人々から慕われている。先生が両親を失い引き取る。
叔父家族は先生を愛していたが先生の父親の財産を受け取ったため誤魔化す。
先生からは金目当てとして憎まれているがちゃんと育てているため憎まれるのは筋違いと思われる。

奥さん
夫が日清戦争で失い現在は駄菓子やを経営している未亡人。静の母である。
先生と仲良く暮らす。
Kの自殺、先生と静の結婚の後、奥さんは病で死去する。


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